速い!サクサク動く!には意味がある 〜何故速いパソコンが必要なのか〜

 こんにちは、DX Laboです。今回は自由研究のような読み物系です。

 みなさんはウェブサイトを見てたりとか、何かの作業をしたりしてるときに、PCやVDIが「もっさり」しているように感じて「重い!」とか「遅い!」とか思うことはありませんか?今日はその話をしてみようと思います。

 人間の思考はとても早いのです。人間の思考の速さについて来れる速度でPCやVDIが反応しないと、あなたのやりたいこと、考えていること、作業していることに細かい中断が発生してしまいます。その結果、無意識的にどんどん集中できなくなり、作業効率や「ひらめき」が得られなくなってしまうのです。

 つまり、応答までの時間や反応までの時間は、自分を力を最大限に発揮するためにとてつもなく重要だと言えます。

 ヤコブ・ニールセン博士という人が、はさまざまな実験を通して、下記の結論にたどり着きました。まとめるとこのような感じです。

・人間が「瞬時に反応が帰ってきた!」と思える時間は0.1秒まで
・思考を妨げられない待ち時間は1秒まで
・人間が待てる最大の時間は10秒まで
その論文とGoogle Analyticsの統計データを元にGoogleが分析した結果、下記のことがわかりました。

どういうことか、実例で見てみましょう。

そのまえに、ミリ秒ってなに?


 今日のお話は、人間の感覚の話が主です。それを数値化するために「ミリ秒」もしくは「ms」という単語がいっぱい出てくるので先に解説しておきます。ミリ秒(ms = milli-seconds)とは、千分の一秒(1/1000秒)のことです。1000ミリ秒で1秒です。500ミリ秒で0.5秒です。そのぐらいの「瞬間」の話をします。

実例で想像する人の感覚


 例えばアプリで「ボタンをタップすると画面の色が変わる」アプリがあるとします。会議室前にあるiPadなどがまさしくそうですね。入室ボタンをタップすると、画面が「入室中」になって、青っぽい画面から赤っぽい画面に変わります。

 つまり、ボタンがタップされると、別の画面に変わるということをユーザは期待してボタンをタップしています。タップしてから、1,000ミリ秒以上、つまり1秒以上何の表示も変わらないと、ユーザは不安を覚えるし、100ミリ秒、つまり0.1秒以内にタップされたということを認識した、という何らかの合図がアプリから得られないと「動いていないのかな…?」と思ってしまう、ということです。

 皆さんがなにかのファイルを開こうとしたとき、1秒以上コンピュータに何も表示されないまま待たされていませんか?1秒以上待たされると、無意識的に実行したタスクへの関心を急激に失っていってしまっています。集中ができず、待たされている間に湧く、別の興味からの中断が行われてしまいます。

 もし10秒以上待たされている場合は、そもそも行っているタスクへの関心を完全に失ってしまう危険性があります。そうすると、再度集中するのは容易ではないでしょう。このように、PCや機械に「待たされている」時間は非常に危険であり、だからこそ反応が早いPCが必要になってくるわけです。

売上にも影響する


 反応速度は売上にも影響することがわかっています。

 Mobifyというウェブショッピングサイト作成プラットフォームの場合、ホームページの読み込み速度が 100 ミリ秒速くなるごとに、年平均で約 4,200 万円の増収となりました。 また、注文会計のページの読み込み速度を100 ミリ秒速くしたところ、結果として年平均で約 5,830 万円の増収となりました

 AutoAnythingという車用のパーツやガジェットを販売するサイトはページの読み込み時間を半分に短縮したところ、売上が 12-13% 増加する結果となりました。

 また、一般的になウェブサイトでは53 % のユーザーが、ロードに 3 秒以上かかるサイトを離脱したと報告しています

まとめ


 いかがだったでしょうか。自分がスマホでネットサーフィンをしているとき、月末でギガ死(通信しすぎて速度制限がかかっている状態)しているとき、イライラしませんか?イライラするには理由があるし、日常イライラするだけではなく、細かい待ち時間で無意識的にも、自分の仕事に対する有効性が下がってしまっています。だから自分のパフォーマンスを最大限に発揮するためには速いパソコンは必要だと言えます。