コミュニケーション不足のあなたへ

 こんにちは、DX Laboです。この記事では、コロナ禍で在宅勤務にシフトし減少してしまった社内コミュニケーションにフォーカスを置いて、非対面でのコミュニケーション不足を解消させるために必要な4つの要素をご紹介します。

 さて、チーム内のコミュニケーション不足が課題となり『雑談が増えるような部署内のコミュニケーション施策を考えてくれ』なんて上司からオーダーされているケースもあるようです。

 Zoom飲み会やオンラインランチも、コミュニケーション不足を解消する一つの案ではあるかもしれません。『会話を増やせ』と言われると、業務外のコミュニケーションをとらなければとなりがちですが、その場限りの楽しい時間を過ごすことができても、協業に繋げることが上手くいかないことも多いです。

社内コミュニケーションってなんで必要なんだろう?


 対面では自然発生していた社内コミュニケーションは、雑談ができない、チャットやテレビ会議は仕事の話のみ。そんな中で、非対面では限界があるとそう思われている方も多いかもしれません。

 しかし、プライベートのコミュニティと異なり、会社の仲間は仕事を一緒にする仲間です。本来、『昨日なに食べた?』『ご家族は元気?』といった私生活に近い会話を頻繁にする必要は、実はあまりないのかもしれない。雑談やノミニケーションが大事だったのは、私生活の自己開示をきっかけとして、業務でのコミュニケーションをより円滑にし、協業を増やす為だったはずです。

 同僚と友人関係になるのが悪いわけではありません。業務を通して信頼のおける仲間とは自然と距離が近くなっていくものです。ただ、前提として、仕事をする『仲間』としてのコミュニケーションは、やはり仕事の内容であることが適しています。そしてそれは、ちょっとしたコツをつかめば、非対面でも充分にコミュニケーションをとることが可能です。

では、4つの要素をみていきましょう。

その1 Visionの共有


1つ目は『Visionの共有』です。

 Visionとは、『実現したい将来』や『行き先』をさします。コミュニケーションを増やすには、チームで共通の目的(Vision)を持つことが重要です。同じ会社で同じ部署なのだから、共通の目的くらいあるだろうと思われるかもしれませんが、言語化してみようとすると意外と難しかったりします。『チームの目的はなにか?』の答えがクリアだと、その目的に向かってチームで仕事をしているのだと強く認識でき、協業のためのコミュニケーションが自然と増えていきます。

 私の所属するチームのVisionは『Work Less, Get More Done(少なく働き、より多くのことを成し遂げる)』です。この目的(Vision)を実現していくために何をしていくべきか?というアイディアが話のネタになることが多いです。

 例えば、最近では、行政も『はんこ文化』を廃止し様々な申請の電子化へ動き始めていること、DocuSign(電子捺印システム)を導入しているプロジェクトにどんな影響があるのか?といった具合です。共通の話題が豊富にありますし、有益な情報を同じ目的を持つ仲間に共有する際に迷うこともありません。

 ミッションやObjective(目標)でも良いです。大事なのは、共通に向かっている『行き先』を明確に言語化して共通認識として持つ事です。私たちは日々何のために切磋琢磨しているのか?を言葉にしてみましょう。

その2 業務の可視化


2つ目は、『業務の可視化』です。

 非対面では、相手の姿が全く見えないので、『今忙しいかもしれない』『まだこの業務を担当しているのかな?』と、コミュニケーションを取るタイミングが難しいと感じるかもしれません。

 業務の可視化は、週イチの定例会議での進捗共有とはまた違います。むしろ、定例でメンバーが順番に進捗を共有していく必要がないくらい、リアルタイムに誰が何をしているのか共有できている状態を目指すのが理想的です。

 リアルタイムとなると、それぞれのパソコンの中にローカル保存する形では機能しないので、クラウド上で常に最新の情報が共有できるツールを活用することをおすすめします。

 私のチームでは、Asanaというワーク管理のSaaSを活用してメンバーの業務を可視化しています。チームの動きが可視化されていれば、『このタスク大変そうだから声かけようかな』とヘルプの提案ができたり『この仕事大変だったね、お疲れ様』といった感謝を表すこともできます。最初は自分のタスクを開示することに少し抵抗がありますが、お互いの業務を知ることで、チャットなどで声をかける機会も自然に増えていきます

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その3 心理的安全性を保つ


3つ目は『心理的安全性』です。

 Google のre:Work(リワーク)は、Googleをはじめとする様々な組織の働き方の先進事例、研究、アイディアを集めたウェブサイトなのですが、イノベーティブな素晴らしい成果を生み出すチームに必要な要素について研究結果がまとめられています。

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 素晴らしいチームに必要な要素は大きく5つで、その中でも、圧倒的に重要なのが心理的安全性だそうです。ちなみに、「チームの心理的安全性」という概念を最初に提唱したのは、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー エドモンソン氏です。

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心理的安全性 – 「チームの中でミスをしても、それを理由に非難されることはない」と思えるか。
相互信頼 – 「チームメンバーは、一度引き受けた仕事は最後までやりきってくれる」と思えるか。
構造と明確さ – 「チームには、有効な意思決定プロセスがある」と思えるか。
仕事の意味 – 「チームのためにしている仕事は、自分自身にとっても意義がある」と思えるか。
インパクト – 「チームの成果が組織の目標達成にどう貢献するかを理解している」か。

 ビジネスをする上で、新規性は必要不可欠。でも、新しいことにリスクはつきものです。良い仮説があっても、結果がでるまで分からないこともあります。自分の新しいアイディアや意見を、このチームだったら安心して言える、お互いに弱い部分もさらけ出すことのでき
。というのが心理的安全性が高い状態と言えます。

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 コミュニケーション不足を解消するには、このチームなら何かを言っても非難やジャッジ(値踏み)されることがないと思える状態をきちんと保つことが重要です。会議中に話している相手の顔を見ず、パソコンで内職してしまっている。なんてことも、相手からすれば不安となる要素です。

 コミュニケーションは自分の何かを開示する行動とも言えます。業務の話でも、業務外の話でも、相手の人となりや考えが尊重される環境であれば、チャットやテレビ会議で発言したいと思える回数は自然と増えてきます。また、これは自然につくれるものではなく、メンバー一人ひとりが意識してつくるものです。

その4 コミュニケーションツール(チャットがおすすめ)


4つ目は『コミュニケーションツール』です。

 肝心の会話をするツールの利便性が低ければ、コミュニケーション量は増えません。対面での会話に一番近くおすすめなツールはチャッです。テレビ会議も良いのですが、人の『時間』を拘束してしまうので、業務上で活発にコミュニケーションをとると相手の業務を遮ることになるので、ベストとは言えないと考えています。

 ビジネスチャットではメールのような長文のやりとりがされていることもありますが、チャットというのは本来、雑談やその場限りの急用で声をかけるといった、すぐに会話が流れてしまっても問題ないようなシーンで使います。なので、メールのようにしっかりと文章を考えずに、話すような感覚で1行〜2行くらいのラリーを相手と続けることがポイントです。

 考えてみれば、オンラインで場所や時間を問わず、社内の誰にでも『ちょっといいですか?』と声をかけることができるので、会社に出社して誰かを見つけるよりも簡単な手段かもしれません。

 また、チャットは一対一のダイレクトメッセージではなく、チャットルームのようなオープンな場での方がコミュニケーション不足解消には効果的です。話かける相手をメンションして、『田中さんがこの間やりとりしていた企業がニュースに出ていましたよ』といった会話を誰でも見れるチャットルームで投げかけます。それを田中さん以外のメンバーも閲覧できるわけですが、興味がある人は『それ私の気になっていました!』と会話の輪に入ってこれます

 通知が鳴るのが気になる方は、雑談部屋はチャットルームを分けて、通知設定を変更するなど工夫をしましょう。

まとめ


 今回は、社内コミュニケーション不足を解消させコラボレーションが生まれる為に必要な要素として、『Visionの共有』『業務の可視化』『心理的安全性』『コミュニケーションツール』の4つをご紹介しました。いかがでしたか?少し参考になりそうでしょうか?非対面での社内コミュニケーションはどの企業でも直面している課題だと思うので、『なんだか上手くいかないなぁ』と思われていた方は、参考にしてみてください。